蛋白質物性学研究所 / Institute for Protein Physics

トピックス(続)



( T.7) 等温滴定熱量測定(ITC)による酵素活性評価法の最初の論文発表25周年

 25年前の2001年2月2日に発表したこの論文では、反応速度の直接測定が可能な熱量測定の特長を利用し、産業用酵素thermolysinの加水分解および脱水縮合の触媒反応が定量的に観測できることを報告しています。さらに、特に加水分解反応においては、定常状態の全反応過程を観測量が、Michaelis-Menten機構の定常状態モデルにより非常によく説明できることを示しました。これによって、一つの基質濃度の一回の測定で、見かけの酵素反応パラメター(回転数とミカエリス定数と)が決定可能となりました。この方法はその後、様々な酵素反応に応用されています。特に、多くの酵素において、初期基質濃度を変えたときに、みかけのミカエリス定数が初期基質濃度に直線的に変化することが示され、拮抗的な産物阻害が起きていることがわかりました。なお、熱測定誌で連載されたチュートリアル「タンパク質分子の熱量測定(4)(熱測定 53巻1号, 29-30ページ, 2026年)にもその概要が紹介されています。


(T.8)「生体ナノマシンの分子設計」(共立出版)発刊25周年

 25年前の2001年9月1日に編著書「生体ナノマシンの分子設計」が共立出
版より発刊されました。蛋白質や核酸などの生体分子は、生物の進化の過程
で生み出されたナノメートルの大きさの機械ですが、その設計には、身の回りにあ
る機械とは違った方法が必要です。この本では、第1章で設計法の全体像を紹
介し、第2章で実際の設計例の詳細を示しています。この本は大学で私が毎年
担当した学部・専門科目「蛋白質工学」の教科書として長年使用しました。この
本で紹介した設計法は現在でも現役で活躍しています。